Prologue


「ボシュウ


身長180cm以上、体重80kg以上。

年齢25歳以上、社会人

セックスの巧い、男前を希望


当方20歳、学生、同居人あり。


後腐れのない楽しいお付き合いをしませんか?

上の項目は希望ですが、必須条件は、車持ち、ってことだけです。

ぶっちゃけ。」


サイトの存在を知ってから、実際開くまでに、3日間かかった。

3時間かけて書いたカキコミを送信するまでに、珈琲を3杯干した。

本当に恐る恐る。絶対不整脈出てると思う、心臓の音が自分にも聞こえる。

カキコミした夜は、眠れなかった。同居人(実は元彼女)が夜中に大学のレッスン室から帰る音を聞いても。お帰りの挨拶も出来ないくらい、気が立って、目がギラギラして。



「オウボ


いずれ結婚とかしてぇから、願ったり叶ったり

取りあえず寝てから決めてくれ


追伸 自分をあんまり安売りしない方が良いぜ、坊や」


えらく愛想のないレスとともにメールアドレスが送られてきたのは、次の日の深夜だった。(この日も興奮が続いてて寝られなかった。格好悪い話…)


「●●駅前のスタバの2階でよく勉強しています。

あなたが来られる日にもう一度連絡下さい」


速攻で、送られてきた携帯のアドレスに、メールを送った。貪り付くように。でも、あっさりと。飢えてるのがばれないように(カキコする時点で飢えてる、ってのはなし!)。


 ドキドキしながら待っていたけれど、返信があったのは、次の次の日の晩だった。




2008/1/29, Rei @ Identikal